細線を上部からみたときの様々なイメージ

つづきまして、 量子細線を上部から眺めた、いわゆる「Top-View」 を観察することで、細線の一様性とキャリアの流れ込み について評価いたしましたので報告します。

こちらの3つのイメージは、それぞれリッジ構造の Top-Viewを観察したもので、横軸のx-軸方向が キャリアの流れる細線一次元方向を、 図と垂直のz-軸方向は結晶成長の積層方向を あらわしています。

一番上のイメージはSEMイメージ、 二番目のイメージは光学顕微鏡で測定しました 0.3ミクロンの空間分解能をもった反射像イメージです。
反射像は、主に空気とリッジ表面の屈折率の違いによる レーザー光の反射を利用して計測しています。
上部2つのイメージから、少なくとも0.3ミクロンのオーダー においては、リッジ構造は一様に形成されていることが わかります。

一方、一番下のイメージは、低温(T=4.7K)におきまして、 リッジ構造を一様に光励起したときの量子細線基底状態からの 発光を対物レンズを通して上部から観察したものです。 色が白や赤い色の部分ほど発光強度が強いことをあらわしています。
なお、横方向(x方向)の空間分解能は、およそ1ミクロンです。 2〜3ミクロンのオーダーで発光強度の不均一分布が生じていることが わかります。

この発光の不均一分布が生じる原因は細線方向(横方向,x方向) のキャリアの流れ込みが原因であると考えられます。

私たちのリッジ構造は、図と垂直のz方向に5 nmという非常に薄い 活性層からなる量子構造を形成しています。 そのために、z方向の数モノレイヤーの厚みゆらぎが、キャリアの 閉じ込めエネルギーを十数meVと変化させてしまいます。

そのため、各横方向のポジションでz方向の厚みゆらぎが 存在すると、閉じ込めエネルギーの高い部分と低い部分が 存在します。 そのためにエネルギーの高い部分で励起されたキャリアは、 より低いエネルギー位置へと横方向に拡散してゆきます。 そのために発光強度の不均一分布が生じるものと考察されます。

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