[[cygwin:http://www.cygwin.com]]ほど大規模なのは嫌だけど、そこそこにUNIXっぽい環境(ビルドのため)が欲しい人用の環境。

*link [#f92a748b]
-[[本家:http://www.mingw.org/]]

*MSYS [#wca6277d]
Minimal SYStemの略らしい。ビルドに必要な最低限の環境を提供するのが目的なのだそうだ。

私の場合は
-grepやらfindやらの基本的なコマンドを
-bash相当のシェルで
-使いやすいターミナル上で
使うことが動機となって試してみた。

**コマンドプロンプトで使う [#f00bfdba]
下にrxvtでの使用に関することが書いてあるが、なんだか日本語が崩れることがあったので、何じゃこりゃと思った。

&ref(rxvt_japanese_collapse.png);

再描画させる(他のウィンドウで一旦隠す)と普通の表示になるので、問題は「中身」というよりは表示だけの問題なのだろう。致命的に困ることはないのだが、個人的に気にくわないし、その一方でパッチをこさえるスキルもないので、rxvtの使用をやめる方向でいろいろと考えた。他のWindows用rxvtを探してみたものの、Cygwin不要なものは無いようであった。(cygwin1.dllだけ用意すればいいのかな?)

で、結構コマンドプロンプト(/bin/sh.exeを直接実行)でもいいじゃんという感じになりつつある。cmd.exeが貧弱なのはあちこちで言われている通りだが、コマンドヒストリや補完などの機能は/bin/sh.exeが提供してくれるし、使い勝手はイマイチだがコピー&ペーストも問題ない(プロパティのオプションから簡易編集モードにチェックしておくとよい)。フォントも、自由ではないが変更は可能(参考:[[cmd.exe(コマンド プロンプト)のフォントを変更する | Windows | POOH.GR.JP:http://pooh.gr.jp/item-229.html]])。最大の利点は動作の軽さとOS標準ということである。新shellであるWindows Power Shell (旧Monad)は重い上に標準とはいえない。ckwは非常に良さそうなのだが、私の環境ではCPU使用率が妙な挙動を示すため使いにくい。

以下のようなバッチファイルにWindows形式のパスを引数として与えると、下記rxvtの場合と同様に、初期ディレクトリを指定することができる。パスをshに渡す前に区切り文字を置換し、ドライブの表記を少しいじっている。
 @echo off
 
 REM remove '"'
 set arg=%~1
 
 REM replace '\' to '/'
 set str=%arg:\=/%
 
 REM remove ':'
 set str=%str::=%
 
 REM do not forget to add '/' at the beginning
 C:\msys\1.0\bin\sh.exe -c "{ export INITIAL_DIR="/%str%"; exec /bin/sh --login; }"

プロンプトの表示の色がやたら暗いので、明るい色にするとよい。参考:[[Bash Prompt HOWTO: ANSI エスケープシーケンス: 色とカーソル操作:http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/Bash-Prompt-HOWTO-5.html]]
 export PS1='\[\033]0;\w\007
 \033[1;32m\]\u@\h \[\033[1;33m\w\033[0m\]
 $ '
 
 ## original
 #export PS1='\[\033]0;$MSYSTEM:\w\007
 #\033[32m\]\u@\h \[\033[33m\w\033[0m\]
 #$ '

以上を$HOME/.profileに記述し、/etc/profileには

 if [ -e "$HOME/.profile" ]; then
   source $HOME/.profile
 fi

という記述を追加した。

**rxvt [#m485a366]
操作感はlinuxのそれと変わらずなかなか良さそうである。

ペーストはshift + insert で行う。窓使いの憂鬱で
 window rxvt /rxvt/ : Global
 key C-y = S-Insert
としてしまった。

起動は、以下を記述したバッチファイルから行う。
 start C:\MSYS\1.0\bin\rxvt.exe -sl 1000 -fg White -bg Black -sr -geometry 180x70+50+50 -fn "BDF Mplus-13" -e /bin/sh -c  "{ export INITIAL_DIR="%1"; export PATH=/usr/bin:$PATH; exec /bin/sh --login -i; }"

環境変数INITIAL_DIR(バッチファイルの引数)は、初期ディレクトリを指定するために設定した。これは私が勝手に設定しただけなので、このままでは何も起こらない。/etc/profileに
 if [ "$INITIAL_DIR" == "" ]; then
   cd "$HOME"
 else
   cd "$INITIAL_DIR"
 fi
などと記述しておくことで初めて有効になる。

フォントの指定については、MSYS-1.0.11-2004.04.30-1.exe なるものから導入したrxvtだと、Courier以外では文字の間隔の幅が異常(通常の3倍程度)に拡がってしまい、使用に耐えなかった。MSYS-1.0.10.exe だとそのようなことは起こらなかった。

geometryオプションでウィンドウのサイズを指定できるが、これがターミナルの幅(?用語はよくわからない。誤用かも)には反映されないようである。例えば、めちゃくちゃ大きい幅をgeometryで指定しても、そこでのlsの出力はせいぜい2、3列で、幅がデフォルトの80文字以内に収まるようになってしまう(せっかく大きい幅にしたのに使われない領域がありもったいない)。一方で実際にウィンドウサイズを枠のドラッグで変更すると、その幅に応じた出力がなされる(領域はフルに使われ、満足)。つまり、ターミナルとしての幅は、geometryの指定からは変更されず、ウィンドウサイズ変更時に初めて反映されるようなのである。

起動後に手動でちょこっと(1文字分以上)サイズを変えて変更を通知ればまあいいのだが、これは面倒である。是非、起動した状態で、ウィンドウ枠をフルに使える状態になっていてほしい。スキルフルな方はここでrxvtのソースをいじるのだろうが、私は安直に以下のようなプログラムを書いた。
 #include "stdafx.h"
 #include <windows.h>
 #include <shlwapi.h>
 #pragma comment(lib,"shlwapi.lib")
 
 int _tmain(int argc, _TCHAR* argv[])
 {
   const int max_text = 256;
   TCHAR str[max_text];
   const int max_wins = 50;
   bool found = false;
   HWND hwnd = GetTopWindow(NULL);
   for(int i=0; i<max_wins; i++){
     hwnd = GetNextWindow(hwnd, GW_HWNDNEXT);
     if(!IsWindowVisible(hwnd)){
       i--;
       continue;
     }
     GetClassName(hwnd, str, max_text - 1);
     if(NULL != StrStr(str, TEXT("rxvt"))){  // found
       //sprintf(str, TEXT("%d"), i);
       //MessageBox(NULL, str, NULL, MB_OK);
       found = true;
       break;
     }
   }
   if(!found){
     MessageBox(NULL, TEXT("rxvt not found"), NULL, MB_OK);
     return 0;
   }
   
   RECT rect;
   GetWindowRect(hwnd, &rect);  
   const int x = rect.left;
   const int y = rect.top;
   const int w = rect.right - rect.left;
   const int h = rect.bottom - rect.top;
   MoveWindow(hwnd, x, y, w/2, h, FALSE);
   MoveWindow(hwnd, x, y, w, h, FALSE);
   return 0;
 }

要は、rxvtを見つけてサイズを縮め、直後にもとのサイズに戻すのである。これを/binに放りこんで、/etc/profileに
 /bin/RefreshRxvtSize.exe
としておくと、rxvt起動後に「サイズちょこっといじり」が自動で行われる。