秋山研見学ツアー "大部屋"
(Last modified 2008.4)

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この部屋は通称"大部屋"です。理由は他の部屋に比べて大きいからです(当社比3倍)。
ここには光学定盤がいくつかおかれており、目的に合わせた光学系が組まれています。
そういった意味でこの部屋が多くの人にとって最も重要なスペースであるといえます。

ここでは光学系とレーザー及び検出器(広義には光学系に含まれそうですが)という二つの項目に分けて説明します。

光学系
光学系とはレンズやミラーを使って作られる実験システムのことを指しています。
こう書くと簡単そうに見えますが、中々に奥が深くそんなに簡単にはいいものが作れません。

また光学系は測定にあわせて作るため、研究対象や研究目的によってかなり異なったものとなります。
例えば、秋山研ではほぼ全ての光学系が顕微光学系と呼ばれる顕微鏡の対物レンズを用いたものですが、
これは研究対象がナノスケールであることから要請されるものです。


これらは可視領域での光学測定に用いている顕微光学系です。
左のものは比較的強励起が可能になっていてレーザー発振実験などに用いられます。
中央のものはクライオスタットを電動ステージに固定します。そのため、測定位置の再現性が非常に高いです。
右のものは透過測定用に作られたもので、対物レンズが向き合って配置されています。
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一方、こちらは通信波長帯での光学測定用に用いている顕微光学系です。
通信波長帯の光は目に見えず光路の調整が困難なため少し工夫が必要です。
一つの工夫は左のようにレールを用いて位置を固定しつつ、ファイバーを使用することです。
もう一つの工夫は右のように小型で堅牢な光学系を組むことで、これによって光路のズレが少なくなります。
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光学系は光学測定にはかかせないもので、実験屋の腕の見せ所であるといえます。
また、同じ目的でも人によって違い(個性)がでるという面白いものでもあります。


レーザー及び検出器
光学系のほかに光学測定に欠かせないものが光源と検出器です。
光源として当研究室でレーザーを用いているのでレーザーと検出器について見て行きたいと思います。

まずレーザーですが試料の励起用にはTi-Sapphireレーザーを用いており、
Ti-SapphireのポンプにはLD励起のNd:YVO4の第二高調波を利用しています。
そのため、写真のように二つ箱が並んだようになっています。

下の二つはCW励起用レーザーで、Ti-Sapphireを10Wで励起することができます。
これらは可視光領域の光学測定に用いられています。
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こちらの二つはパルス励起用レーザーです。
パルス励起をすると、光子相関実験や励起子などの寿命測定が可能です。
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次に検出器として分光器APD(アバランシェフォトダイオード)を見ていきます。
左のものが75cmの分光器で出口の部分に窒素冷却CCDを取り付けてあります。
通信波長帯で分光をする際にはCCDではなくてInGaAsのアレイを取り付けます。
右のものはAPDで効率に優れます。二つ並んでいるのは光子相関実験に用いているからです。
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最後にクライオスタットなどに用いている真空ポンプを紹介。
粗引き用にスクロールポンプ、高真空用にターボ分子ポンプがユニットになっています。
低温実験をする際には必ず使用しています。
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下の写真はA棟とD棟の間の道です。
D棟はもうやめてA棟にいく人はこちらをクリック。
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