cygwinほど大規模なのは嫌だけど、そこそこにUNIXっぽい環境(ビルドのため)が欲しい人用の環境。
Minimal SYStemの略らしい。ビルドに必要な最低限の環境を提供するのが目的なのだそうだ。
私の場合は
下にrxvtでの使用に関することが書いてあるが、なんだか日本語が崩れることがあったので、何じゃこりゃと思った。
再描画させる(他のウィンドウで一旦隠す)と普通の表示になるので、問題は「中身」というよりは表示だけの問題なのだろう。致命的に困ることはないのだが、個人的に気にくわないし、その一方でパッチをこさえるスキルもないので、rxvtの使用をやめる方向でいろいろと考えた。他のWindows用rxvtを探してみたものの、Cygwin不要なものは無いようであった。(cygwin1.dllだけ用意すればいいのかな?)
で、結構コマンドプロンプト(/bin/sh.exeを直接実行)でもいいじゃんという感じになりつつある。cmd.exeが貧弱なのはあちこちで言われている通りだが、コマンドヒストリや補完などの機能は/bin/sh.exeが提供してくれるし、使い勝手はイマイチだがコピー&ペーストも問題ない(プロパティのオプションから簡易編集モードにチェックしておくとよい)。フォントも、自由ではないが変更は可能(参考:cmd.exe(コマンド プロンプト)のフォントを変更する | Windows | POOH.GR.JP)。最大の利点は動作の軽さとOS標準ということである。新shellであるWindows Power Shell (旧Monad)は重い上に標準とはいえない。ckwは非常に良さそうなのだが、私の環境ではCPU使用率が妙な挙動を示すため使いにくい。
以下のようなバッチファイルにWindows形式のパスを引数として与えると、下記rxvtの場合と同様に、初期ディレクトリを指定することができる。パスをshに渡す前に区切り文字を置換し、ドライブの表記を少しいじっている。
@echo off REM remove '"' set arg=%~1 REM replace '\' to '/' set str=%arg:\=/% REM remove ':' set str=%str::=% REM do not forget to add '/' at the beginning C:\msys\1.0\bin\sh.exe -c "{ export INITIAL_DIR='/%str%'; exec /bin/sh --login; }"
プロンプトの表示の色がやたら暗いので、明るい色にするとよい。参考:Bash Prompt HOWTO: ANSI エスケープシーケンス: 色とカーソル操作
export PS1='\[\033]0;\w\007 \033[1;32m\]\u@\h \[\033[1;33m\w\033[0m\] $ ' ## original #export PS1='\[\033]0;$MSYSTEM:\w\007 #\033[32m\]\u@\h \[\033[33m\w\033[0m\] #$ '
以上を$HOME/.profileに記述し、/etc/profileには
if [ -e "$HOME/.profile" ]; then source $HOME/.profile fi
という記述を追加した。また、ビープ音を消すために、~/.inputrcに
set bell-style none
を加えておく。参考:ビープ音を止める
操作感はlinuxのそれと変わらずなかなか良さそうである。
ペーストはshift + insert で行う。窓使いの憂鬱で
window rxvt /rxvt/ : Global key C-y = S-Insert
としてしまった。
起動は、以下を記述したバッチファイルから行う。
start C:\MSYS\1.0\bin\rxvt.exe -sl 1000 -fg White -bg Black -sr -geometry 180x70+50+50 -fn "BDF Mplus-13" -e /bin/sh -c "{ export INITIAL_DIR="%1"; export PATH=/usr/bin:$PATH; exec /bin/sh --login -i; }"
環境変数INITIAL_DIR(バッチファイルの引数)は、初期ディレクトリを指定するために設定した。これは私が勝手に設定しただけなので、このままでは何も起こらない。/etc/profileに
if [ "$INITIAL_DIR" == "" ]; then cd "$HOME" else cd "$INITIAL_DIR" fi
などと記述しておくことで初めて有効になる。
フォントの指定については、MSYS-1.0.11-2004.04.30-1.exe なるものから導入したrxvtだと、Courier以外では文字の間隔の幅が異常(通常の3倍程度)に拡がってしまい、使用に耐えなかった。MSYS-1.0.10.exe だとそのようなことは起こらなかった。
geometryオプションでウィンドウのサイズを指定できるが、これがターミナルの幅(?用語はよくわからない。誤用かも)には反映されないようである。例えば、めちゃくちゃ大きい幅をgeometryで指定しても、そこでのlsの出力はせいぜい2、3列で、幅がデフォルトの80文字以内に収まるようになってしまう(せっかく大きい幅にしたのに使われない領域がありもったいない)。一方で実際にウィンドウサイズを枠のドラッグで変更すると、その幅に応じた出力がなされる(領域はフルに使われ、満足)。つまり、ターミナルとしての幅は、geometryの指定からは変更されず、ウィンドウサイズ変更時に初めて反映されるようなのである。
起動後に手動でちょこっと(1文字分以上)サイズを変えて変更を通知ればまあいいのだが、これは面倒である。是非、起動した状態で、ウィンドウ枠をフルに使える状態になっていてほしい。スキルフルな方はここでrxvtのソースをいじるのだろうが、私は安直に以下のようなプログラムを書いた。
#include "stdafx.h" #include <windows.h> #include <shlwapi.h> #pragma comment(lib,"shlwapi.lib") int _tmain(int argc, _TCHAR* argv[]) { const int max_text = 256; TCHAR str[max_text]; const int max_wins = 50; bool found = false; HWND hwnd = GetTopWindow(NULL); for(int i=0; i<max_wins; i++){ hwnd = GetNextWindow(hwnd, GW_HWNDNEXT); if(!IsWindowVisible(hwnd)){ i--; continue; } GetClassName(hwnd, str, max_text - 1); if(NULL != StrStr(str, TEXT("rxvt"))){ // found //sprintf(str, TEXT("%d"), i); //MessageBox(NULL, str, NULL, MB_OK); found = true; break; } } if(!found){ MessageBox(NULL, TEXT("rxvt not found"), NULL, MB_OK); return 0; } RECT rect; GetWindowRect(hwnd, &rect); const int x = rect.left; const int y = rect.top; const int w = rect.right - rect.left; const int h = rect.bottom - rect.top; MoveWindow(hwnd, x, y, w/2, h, FALSE); MoveWindow(hwnd, x, y, w, h, FALSE); return 0; }
要は、rxvtを見つけてサイズを縮め、直後にもとのサイズに戻すのである。これを/binに放りこんで、/etc/profileに
/bin/RefreshRxvtSize.exe
としておくと、rxvt起動後に「サイズちょこっといじり」が自動で行われる。