rainbow.ipf manual
Last modified: Sat Dec 14 13:17:06 2002
このプログラムの使用に伴って生じたあらゆる損害・不具合に対して私、伊藤弘毅は関知しません。
また、これはあくまで私個人が作成したものなので、wavemetrics社はこのプログラムと一切の関わりを持ちません。
苦情などは私宛にお願いします。しかし、対処できるとは限りません。
0, 緒言
- このパッケージは社の製品である、Igor Pro上で動作するプロシージャ(要はマクロ)です。
イメージプロットを行う際、Igor標準のRainbowの色では多少不都合だったため、これを書き直しました。
rainbow.ipfはこの新しい虹色を使えるようにするプロシージャです。Igor 4.06A (English)で作成しました。
1, インストール
Igor Proのインストールされたディレクトリ(通常はC:\Program Files\wavemetrics\igor pro folder)の中の、user proceduresというディレクトリの中に
rainbow.ipfをコピーするだけです。
2, 使用法
- Igor Pro を起動すると、メニューに"Image"と書かれたものが増えています。これを選択し、サブメニュー(ひとつしかないですが)の"Plot"を選択します。
- すると、waveを選択するためのポップアップメニューが出てきます。ここで、プロットしたいwave(イメージなので、対象は2D wave、つまりmatrixでなくてはいけない)
を選択します。それでよければ"plot"というボタンを、やめたければ"quit"というボタンを押します。
- "plot"を押すと、グラフが2つ作成されます。ひとつはイメージプロットで、もう一つはカラーバーです(どの強度がどの色に対応するかを示す)。
タイトルは、"image_(waveの名前)" "colorbar_(waveの名前)"となっています。また、新しい虹色の設定も"rainbow_(waveの名前)
という名前のwaveに格納されていますので、waveに妙な名前を付けているとハネられるかも知れません。
- イメージプロットの方はグラフ上部に数値を入力する領域が2つとボタンが1つ表示されているはずです。左の"white value"というのは、
どの値に白色を対応させるか、という設定です。色は白が端にあるので、入力した値よりも大きいものは全て白色での表示となります。
同様に、右の"black value"というのは、黒色に対応させるための値です。色の順番を逆にしたければ、白の方の値を小さく、
黒の方の値を大きく設定してやるだけでオッケーです。
- 設定後に、右の"Update"というボタンを押すと、イメージプロットに結果が反映されます。例えば"white value"にとてつもなく大きい値を入力すると、
結局データの値は全て(相対的に)小さくなるので、イメージプロットは黒っぽくなるはずです。逆もまた然りです。
- 更新の際にはカラーバーも更新されます。横軸に値が出るので、どの値が何色に対応するかが読みとれるでしょう。
こちらも"Update"ボタンによって変更が反映されます。
3, 注意点など
- 変更を反映させるため、wave作成などは上書きを基本としているのでうっかり消されないようにしてください。
- 虹色は、RGBを用いて表示させています。もとからIgorに付属していた虹色の設定をいただいて手直ししただけなので、色に不満があるやも知れません。
rainbow.ipfの最初の方にRGBカラーを入力する箇所があるので、好みに応じて変えてください。綺麗な虹の出し方があったら教えてください。
- プロットでwaveを選ぶ際、うっかり別の名前を選択すると、その名にちなんだグラフや変数ができあがってしまいます。こんなのは削除して構いません。
が、waveがあるディレクトリの中のhi_RB_whiteやhi_RB_blackという変数は残しておいて下さい。実際に使用はしませんが、作業場所として必要となります。
4, 中で行っていること
実際に行っている処理を簡単に説明します。
独自のカラーテーブル作成は現状のIgor Proではサポートしていない機能ですが、(ここで行ったような)Index waveを用いることで同様な機能を実現できます。
これには、まず色の情報(Red,Green,Blue)の情報を打ち込んでやる必要があります。そしてさらに、
どの値がどの色に対応するかと言うことも指定する必要があるのですが、それはwaveの X scaleで行います。ある値があったとしたら、
その値に一番近いX scaleを探し、その行のR,G,Bが色として採用されるわけです。X scale とは大雑把に言えば追加の列のようなもので、
Dataメニューの中の"Change wave scaling"というところで設定することができます。
伊藤 弘毅 (Hirotake Itoh)
hiroitoh@issp.u-tokyo.ac.jp